高校1年生の夏、私はアメリカ・メリーランド州のサンデー・スプリングという街でホームステイをしました。
夏休みの3ヶ月間だけの予定で、学校の寮に戻るまでの間、ホストファミリーと過ごすことになっていたのですが——到着早々、その娘さんと一緒に“本気のサマーキャンプ”に送り出されることに。
アメリカの“ガチすぎる”サマーキャンプで人生初の修行体験
このキャンプが想像をはるかに超える過酷さでした。
3週間、自分の体と同じくらいの大きなリュックを背負って山道を登り、テントを張る場所の草刈りからスタート。
シャワーは基本なく、3日に1回あればラッキー。それ以外は川や雨で済ませるというサバイバル生活。
歩きすぎて足の爪が剥がれてしまったこともありましたが、それ以上に、同年代のアメリカ人のタフさや自立心、そして「エアコンのありがたさ」を身にしみて感じました。
正直、もう一度行きたいとは思いませんが(笑)、けれど確実に、私の精神的な強さを作ってくれた原点だったと思います。
なにより、あの過酷なサマーキャンプには、日本語が通じる人は誰ひとりいませんでした。
シャワーもない自然の中で、「伝えなければ生きていけない」という状況に置かれたことで、英語を“学ぶ”というより“使わざるを得ない”環境に身を置いたことが、それまでにないほど英語力を伸ばすきっかけになったのは間違いありません。
もちろん、自分を追い込みすぎるのはおすすめしませんが、若いうちに一度、こうした“ちょっと大変な経験”をしてみるのも、今思えば悪くないかもしれません。
英語が話せなくても、誰かと“つながれる”
キャンプ後に戻ったホストファミリーの家には、同い年の女の子と、そのお兄ちゃんがいました。
お兄ちゃんはダウン症のある方でしたが、とても優しくて、英語が話せない私にもためらいなく話しかけてくれました。
言葉がうまく通じなくても、彼はいつも笑顔で、何度でも私に話しかけてくれました。
今思えば、その日々こそが、私の英語力が自然と伸びた一番の理由かもしれません。
彼との会話は、教科書では学べない「本当の会話」だったと思います。
“あのテレビ番組”が私の先生だった
家族の時間の中で欠かせなかったのが、夜にみんなで観るテレビ番組。
「フレイジャー」や「サインフェルド」、そしてナイトショーなど、アメリカのカルチャーそのものともいえる番組たちでした。
最初は何を言っているのかまったく分からなくても、音やテンポ、登場人物の表情や仕草を感じながら見ているうちに、英語のリズムや言い回しが自然と耳に残っていったのを覚えています。
これらの番組は、私にとってまさに“第二の先生”でした。
今思うこと:感謝と、忘れられない夏
ホームステイ先の17歳の女の子とはあまり打ち解けられず(彼女は目が眩むようなかっこいいBoyfriendに夢中でした)、どちらかというとお母さんと過ごす時間が多かった私。
料理を一緒にしたり、ショッピングに連れて行ってもらったり、毎日が静かで温かい思い出です。
そのときは英語も拙く、感謝の気持ちをきちんと伝えることもできませんでしたが、いま振り返ると、本当に優しくて思いやりのある家族に出会えたのだと、胸がいっぱいになります。
結びに:そして、高校生活へ——
この3ヶ月のホームステイが終わったあとは、学校の寮に戻って本格的なアメリカでの高校生活が始まりました。
その話はまた、別の記事でゆっくり綴りたいと思います。
コメント